マンガMeeジャンル大賞 ゲスト審査員インタビュー
紙版の単行本『サレタガワのブルー』①②巻、5月25日発売!
初めて今回の企画をお聞きになった時はいかがでしたか?
私が人を審査する立場か?!と慄きました。
第一声は「へ?審査員?誰が?きたさん?(←担当さん)」です。笑
いいんですか?本当に。
ドッキリ…?とまだ疑ってますよ。
ありがたいことです!がんばります!
審査員を引き受けようと思われた理由はなんですか?
こんな機会滅多にないですし、子供の頃から本当に漫画が大好きで、ジャンル問わず、ものっすごい量読んできた自信だけはあるので、
そういった観点で良ければ挑戦してみようと思いました!
ドッキリでないのであれば!
ドッキリではないです(笑)。次に、新人の時の話を伺いたいのですが、苦労した思い出はありますか?
まだ漫画家4年目、週刊連載も2作目なので気持ちは新人です!!
まだまだ描きたいストーリーは脳内にあふれているし、ありがたいことに仕事面でも優しい人に囲まれて、
とても恵まれた環境で働けているので、そんな苦労という苦労はないです。
つらいことと言えば、ヘタで未熟なのは承知なのですが、今の時代ならではの匿名コメント欄でのキッツイお言葉には
時々メンタルをゴッソリ削られます。
「セモトさんは明るいから大丈夫でしょ!」と言われがちですが、
心を込めて「楽しんでほしい!」と制作したものをバッシングされるのはやっぱりキツい時もあります。
コメント欄での誹謗中傷で筆を置いた才能ある漫画家さんもたくさん見てきたので、
自分は頑張ろうと奥歯かみしめて「読んでいだだいて、感想抱いていただいて嬉しいです!」の気持ちを忘れずに
つとめて明るく受け止めようと努力してます。
もう少し、優しい世の中であれ。と神に願ってます。笑
キツい時はどのようにメンタルのコントロールをなさっているのですか?
読者さんからいただいたファンレターを何度も何度も読んでいます。
こんなにも熱く応援してくれる人がいる!と。この人を喜ばせたい!がんばろう!と奮い立たせてます。
本当に有り難いです。
応援して下さる読者さんへの愛だけは、いつまでも忘れずにいたいです。
あとは、家族や友人とおいしいものを食べる!
担当編集さんや、編集長さん、えらい人に盛りぎみで褒めてもらう!!です。笑
まだまだ描きたい漫画が脳内に山ほどあるので、つらいなんて言ってられないっす!!
描ききるまで死ねない!
セモト先生は、社会人を経験されてからマンガ家になったと聞きましたが、社会人生活で創作に活かせたことなどはありますか?
接客業などいろんな人と接する機会があればあるほど、自分と違うタイプの人間を描くときに人物像を具現化できやすくなると思います。
あと私はどんな仕事についても「漫画を描くこと」がやっぱり好きで、「死ぬ前に渾身の長編漫画を一本描こう。」と、
稼ぐことを目的としない漫画で、意図せずデビューできたタイプです!
何歳になっても、どんな仕事をしていても、「面白い物語を最後まで継続して描く熱量」があれば、いくつになってからでも、
どんな職業の人も、漫画家にはなれると思います!
熱量です!熱量!
今回の募集ジャンル(『不倫・結婚生活』)を描く際、「新人」にとって必要な心構え、大切なことはなんだと思いますか?
近年「不倫=悪!」というイメージが強くなっています。
この世の中のマイナスイメージ禍で物語を描くにあたって、「フィクションとしての面白さ」を全力で出し切れるかが大切かなぁ…
なかなか難しいしデリケートなテーマだと思います。
今の時代の読者層が「不倫モノの漫画に何を求めているか」「何を伝えたいか」。
描き始める前に自分なりにじっくり考えて、個性のある物語で挑むのが大切かと思います。
「結婚生活」を描く上でのコツ・ポイントとしては
一般的な恋愛モノでは、いわゆる「ゴール」である「結婚」を、エンタテイメントとしてどう料理するか、
面白いですが、これはなかなか難しい題材だと思います!
まず結婚してる時点で「両想い」であることが大前提のスタートですし。
モメたり、絆を描いたり。
いかに面白い設定やハプニングを盛り込めるか、初期設定と進め方をカッチリ決めてから挑むのがいいかと思います!
ご自身の活動において刺激やインプットのために触れているものを教えてください。
お笑い番組やドラマ、恋愛リアルバラエティは勉強という観点でもよく見ます!
言葉選びが巧い芸人さんや、恋愛系の掛け合いなどはキャラクターの会話の参考になります。
ドラマや映画は、納得できないエンディングだったら自分で脳内で脚本を書き変えたりします!
「絶対私が考えたこのシナリオの方が世間ウケしたぞオイ」と、勝手に妄想してます笑。
ストーリーは展開の勉強になると思います。
あと、漫画家はどうしても一人で家に篭りきりになりがちなので、愉快で語彙力のあるテンションの高い友人らを呼びつけて、
人狼ゲームとかしてます笑。
何にでも興味をもって漫画につながるネタはないかとアンテナをビンビンにさせてます!
歳をとっても好奇心旺盛にインプットし続けていたいです!
『不倫・結婚生活』作品を描く上で、入れ込んだ方が良い要素はありますか?
私の描く「サレタガワのブルー」は、不倫された側の悲劇を描いて、
主人公をとことん痛めつけることで読んでいる人が「された側ってこんなにつらいんだ…自分はしないでおこう…」となってくれるのを目標にしています。
男性が主役なのも、それが理由です。
とはいえ不倫ものは、「好き→復讐したい→でも好き→やっぱり許せない」など、キャラの感情の振れ幅がデリケートにあるので、
リアルに細やかに描くことは意識しています。
どんな応募作品を期待しますか?
不倫は「いけない恋」ですが、きれいに描くとロマンスにもなり得ます。
不倫というテーマを「悪!裏切り!」と捉えるか、それとも「こんな素敵な人だったら恋してもしょうがないよね、切ないね」と持っていくか。
世間の不倫モノはざっくりこの2パターンにわかれると思うのですが、どっちにも当てはまらない個性的なお話があれば読んでみたいなぁと思います!
斬新な不倫もの、楽しみです!
「不倫」以外の「結婚生活」を扱ったマンガで描いていただくなら、「ただひたすらに幸せな二人の結婚生活!」というよりは、見ている人が「あるある!」となるような、現代のリアルな夫婦間のかけあいやモメごとが見たいですね!
人のゴタゴタ、みんな興味ありますからね!笑
斬新な設定の夫婦モノとかも見たいです!
投稿者のみなさんへメッセージをお願いいたします。
皆さんの熱量ある漫画が読めるのを1漫画好きとして楽しみにしてます!!
ゼロからモノを生み出せるのはすごいことだと思います!
最後まであなたの考えた「世界にひとつだけのお話」を描き切ってください!
「漫画を描くのって楽しい!」の気持ちを忘れずに、レッツエンジョイです!!